yojikとwanda「ナツ」リミックス編

yojikとwanda 「ナツ」のリミックスを担当させていただきました。

リミックスバージョンはこちら ↓

7/23発売です。購入方法等はこちら→ yojikとwanda

夏なのに肌寒い日が続くのでどっかの誰かみたいにフォロワーやいいね数やYoutubeの再生数を2万くらい買いそうになりました。

はじめリミックスでというお話をいただいたんですが、wandaさんご自身がリミックスされるという事になりました。で、wandaさんがリミックスしたデータをいただいてお願いされたドラムの差し替えやミックスダウンなどをやってたんですが、やっぱり自分がリミックスしたいなと思ってデモを作って聞いていただいたらOKをいただきまして晴れて私がリミックスをやるということになりました。

wandaさんのリミックスをもとにしてます。なので構成はほぼwandaさんで、オリジナルバージョンに無いケロってる声もwandaさんがやられたものです。

オリジナルにはラップの後にギターがギュイ~ン!と入るのですが、まず最初にカットしました。お二人から「あそこでギターがないのは寂しい」と遠慮がちのクレームをいただきました(笑)「いやいや、あそこは盛り上げなくても成立します!DJで使ってくれるのであれば繋ぎやすいようにしなければならないんです!」とか言ってなかば無理やりお願いを聞いていただきました。オリジナルにギュイ~ン!入ってますし要らないかなと。

ハード中心のエンジニアから見たら邪道なやり方があるかと思いますが、使えるものは使ってく方針なのでいいかなと。DAWだし。

ドラムパート

Cubaseで作りました。これはドラムパートです。キックはMIDIで打ち込んでます。キックの音色は私が販売してます「重いキック」の2番(だったかな?)に薄くマキシマイザーをかけて前に出てくるようにしました。最終段階で聞いてもらったら「前のキックが好きでした」との事だったので、その前のキックとレイヤーさせてます。レイヤーしたキックはローをカットしてアタックと存在感だけ残しました。

↑こちらはクラップにインサートしたエフェクトです。RE-201をかけてコンプ(たぶんプリセットのまんま)でRE-201の音も持ち上げてEQで低音をカットしました。低音をカットしすぎると存在感がなくなるので自分的にはほどほどに切りました。

2:44から薄くSR-88のシンバルが鳴ってます。これはEQで低音をカットして高域はデュエッサーでちょっとカットしました。

↑ブレイク後、ラップが入るとこから一緒に入る生ドラムです。勢いがあり前のめりの生ドラムでしたのでMIDIで鳴らすキックとスネアとのタイミングに大きなズレがありました。なのでCUBASEの「スライスを作成」で千切ってクオンタイズ。クオンタイズだけでは済まされないところは手動で調整しました。

シンセ、ギター、ベース

2本あったアコースティックギターを重ねないでパンでそれぞれ横に振りました。その方が面白いかなくらいのノリで振りました。どちらにもゲートをかけて余韻を削って歯切れよくしてCubaseで言うところのグループにまとめ、UAD API Visionで音を作って、UAD Precision Maximizerでメリハリをつけ、UAD SPL TwinTubeでさらにハリをつけて、試しに挿してみたJJP Guitarsが思いのほか良かったので採用してPro-Q2で調整しました。

生ベースをシンセベースに差し替えたいなと思いましたがMIDIがありませんでした。でもシンセベースにしてーなーと思いいろいろいじってみました。まずゲートでリリースを目いっぱい切って、Pro-Q2で20以下をやんわりカットし、ステレオジェネレーターでステレオ感を出して中心にあるキックから逃がし、JJP Bassでサブベースを強調してUAD Oxford Envolutionでアタック感を出しゲートでリリース切ったのになぜかこれで伸ばしました。なんでそんなことしたのか記憶がありませんが結果良ければすべて良しです。

エレピは元のエレピとMIDIもあったのでArturia Wurli V2と重ねました。元のエレピはT-Racks CS Opto Compでパキッとして、SPL TwinTubeでちょっとだけ歪ませて、ステレオエンハンサーで広げてゲートで切ってます。Wurli V2はUAD UA 1176でパキッとさせました。2本のエレピをグループにまとめてUAD API Visionで音を作って、UAD EL7FATSO Jrでちょこっとパキッとさせ、またさらにコンプUAD Fairchild670をかけ、UAD Precision K-Stereoでステレオ感を出して、Pro-Q2で低音をカットしました。コンプかけすぎだろと自分でも思うんですが理想の音を目指すんであれば手段は選ばないし、好きなようにナンボでも挿せるのがDAWの醍醐味ではないでしょうか。

Vocal

いただいたボーカルデータにはリバーブ等が施してありました。音量やフェーダーを書いた後全てグループにまとめて一括処理しました。Butch Vig VocalsでEQやコンプを調整してデュエッサーで耳に痛いとこを少しカットし、ステレオジェネレーターでステレオ感を出しました。グループにセンドでリバーブのUAD Lexicon 224をうっすらかけてます。

ミックスダウン

マスタリング

まずUAD Millenniaを挿してMS処理。Sの21kをブースト気味に、Mの21kは控えめに上げました。 Millenniaの高域の処理が凄く好きなんです。他のEQよりリッチな高域になります。

次にUAD elysia alphaというコンプで若干全体的に持ち上げました。

で、いつもの18番のUAD Neve1073で調整しました。これを使うと音が前に出てくるんです。

その次にUAD bx digitalでMS処理で微調整し、L3-LLで若干抑えてフィニッシュのUAD Oxford Limiterです。

EQも何段掛けだよ!って感じで多用してます。位相とか気にしません。気にしませんつっても低域だけは気にしてますけど。端くれだけどエンジニアのくせにだから気にしろよと自分でも思うんですけど違和感なかったら全然OKじゃないですか。

参考になればとか思ってなく、こういうの見たいけどあんまり誰も書いてないので、じゃあ自分から書いてみっかーって感じで書きました。